経済格差,少子化,団塊退職
特別展示図書[経済格差,少子化,団塊退職]
最近の日本経済のキーワードとして,経済格差,少子化,団塊世代の退職をあげることができるでしょう。日本はこれまで安定した平等社会と言われてきました。しかし,不況下で家計間に所得格差が生じ始めたことが指摘されています。さらに経済への市場原理の導入は,雇用形態による経済格差,地域間格差を加速させ,わが国も格差社会に入ったといわれています。こうした格差が,わが国の安定した社会の崩壊につながることが懸念されています。
出生率の低下は社会保障制度の行方に大きな影を落としています。人口の減少が労働人口,消費人口の減少,地域社会の過疎化につながり,日本社会の活力を失わせることが憂慮されています。経済格差と並び,少子化対策が今日の重要な政策課題であることは誰もが認めるところでしょう。
さて,高度成長期に大量採用され戦後の日本経済とともに歩んできた団塊世代の人々が今年から定年退職を始めます。団塊世代の人々の定年後のライフスタイルが,地域やビジネスに大きな影響を与えると考えられています。特に,金融界では,彼らがもつ資産の行方に大きな関心が寄せられています。また,生産現場では,団塊世代の人々の大量退職による人手不足,彼らが持つ熟練技能の若い世代への伝承が大きな課題となっているようです。
なお今回は書籍に加え,証券関係論文記事データベースより「経済格差」「少子化」「団塊」をキーワードに論文を抽出してみました。
1.経済格差
分類記号 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 発行年 |
---|---|---|---|---|
Fh2-N |
新・富裕層マネー |
日本経済新聞社 |
日本経済新聞社 |
2006年 |
Fh2-N |
新世代富裕層の「研究」 |
野村総合研究所 |
東洋経済新報社 |
2006年 |
Ga3-K |
リスクと家計 平成17年版 |
家計経済研究所 |
国立印刷局 |
2005年 |
Gb84-KK |
経済格差の研究 |
貝塚啓明 |
中央経済社 |
2006年 |
Gb84-MH |
日本の所得分配と格差 |
宮島洋 |
東洋経済新報社 |
2002年 |
Gb84-OF |
日本の不平等 |
大竹文雄 |
日本経済新聞社 |
2005年 |
Gb84-OT |
日本の所得分配 |
小塩隆士 [等] |
東京大学出版会 |
2006年 |
Gb86-HY |
日本の所得格差と社会階層 |
樋口美雄 |
日本評論社 |
2003年 |
Gb86-SK |
資産格差の経済分析 |
下野恵子 |
名古屋大学出版会 |
1991年 |
Gb86-TT |
日本の貧困研究 |
橘木俊詔 |
東京大学出版会 |
2006年 |
Gd1-MA |
「人口減少経済」の新しい公式 |
松谷明彦 |
日本経済新聞社 |
2004年 |
Gd1-TT |
アメリカ型不安社会でいいのか |
橘木俊詔 |
朝日新聞社 |
2006年 |
Gd1-TT |
格差社会 |
橘木俊詔 |
岩波書店 |
2006年 |
Gd1-TT |
日本の経済格差 |
橘木俊詔 |
岩波書店 |
1998年 |
Gd1-YK |
金満ニッポンの階層化社会 |
吉田勝次 |
社会評論社 |
1990年 |
Gd2へ1-MA |
アメリカ経済の光と影 |
丸茂明則 |
朝日新聞社 |
2006年 |
Gd2へ1-PK |
富と貧困の政治学 |
田中秀臣 |
草思社 |
1992年 |
Ge1-TH |
経済政策を歴史に学ぶ |
田中秀臣 |
ソフトバンククリエイティブ |
2006年 |
Ge1-YN |
「健全な市場社会」への戦略 |
八代尚宏 |
東洋経済新報社 |
2007年 |
Ge3-SJ |
世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す |
スティグリッツ,ジョセフ E. |
徳間書店 |
2006年 |
2.少子化
分類記号 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 発行年 |
---|---|---|---|---|
Da3-N |
少子化時代の政策形成 |
日本財政学会 |
有斐閣 |
2006年 |
Gb86-NT |
人口減少時代の資産形成 |
西澤隆 |
東洋経済新報社 |
2005年 |
Gd1-FK |
日本経済の正しい理解と明るい展望 |
福島清彦 |
日経BP社 |
2004年 |
Gd1-HY |
少子化と日本の経済社会 |
樋口美雄 |
日本評論社 |
2006年 |
Gd1-KT |
日本経済の構造変動 |
小峰隆夫 |
岩波書店 |
2006年 |
Gd1-KT |
人口減少デフレは始まっている |
公文敬 |
東洋経済新報社 |
2006年 |
Gd1-TN |
少子化の経済分析 |
高山憲之 |
東洋経済新報社 |
2006年 |
Gd2へ1-KL |
破産する未来 |
コトリコフ,ローレンス J. |
日本経済新聞社 |
2005年 |
Ge1-MS |
人口減少時代の政策科学 |
松原聡 |
岩波書店 |
2004年 |
Gj2-FT |
人口減少 日本はこう変わる |
古田隆彦 |
PHPソフトウェア・グループ |
2003年 |
Wc2-OT |
人口減少時代の社会保障改革 |
小塩隆士 |
日本経済新聞社 |
2005年 |
Wc3-SH |
高齢・少子化社会の家族と経済 |
島田晴雄 |
NTT出版 |
2000年 |
3.団塊退職
分類記号 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 発行年 |
---|---|---|---|---|
Fh1-OH |
シニアマーケットに学ぶ資産運用アドバイス |
鬼崎泰至 |
きんざい |
2005年 |
Gd1-HY |
2007年団塊定年! 日本はこう変わる |
原田泰 |
日本経済新聞社 |
2006年 |
Gd1-HY |
団塊世代の定年と日本経済 |
樋口美雄 |
日本評論社 |
2004年 |
Gd1-N |
「団塊」退職で変わる経済 伸びるビジネス |
日本総合研究所 |
東洋経済新報社 |
2006年 |
Gd2へ1-SW |
団塊世代の経済学 |
スターリング,ウィリアム |
日経BP社 |
2000年 |
4.雑誌論文記事
A.経済格差
家計の貯蓄・負債に広がる世代間格差―金利・地価変動がもたらした金融行動の変化
- 渡邊順理 みずほリサーチ (50) ‘06.5 pp.3-6
「機会均等」崩れ「学力低下」,成長力蝕む恐れ―「格差拡大社会」の経済的損失
- 水野和夫 金融財政 (9742) ‘06.4.24 pp.2-7
地域格差が分ける明暗―2006年3月期全銀行総合ランキング(特集)
- 金融ビジネス (247) ‘06.8 pp.10-21
地域間格差と金融
- 根津永二、金能斗 地域分析 45(1) ‘06.9 pp.25-39
地域間所得格差と財政・金融
- 堀江康煕 経済学研究(九大) 73(2・3) ‘06.9 pp.37-61
域別の所得格差・資産格差
- 安藤浩一 RPレビュー (21) ‘07.3 pp.87-89
地方銀行―地域経済力の格差を反映,一部地銀には格下げの可能性も
- 佐々井達郎 レーティング情報 3(3) ‘00.3 pp.16-20
地方銀行業界―地域間格差と地域内格差の拡大が進行
- 小針千里 レーティング情報 5(10) ‘02.10 pp.25-30
B.富裕層と金融ビジネス
会員ビジネスの基本に見る,富裕層向けバンキングの勝ちパターン構築のあり方
- 齊藤直人、植地卓郎 月刊資本市場 (246) ‘06.2 pp.10-20
銀行における個人資産ビジネス(特集)
- 日本人の個人金融資産ポートフォリオの再検討(平野哲)
個人資産の効果的なマーケティングの考え方とその手法(福田啓太)
富裕層ビジネスとコンプライアンス(増田英次) - 地銀協月報 (544) ‘05.10 pp.2-28
資産富裕層の実像に迫る
- 貞清栄子 調査レポート(三井トラスト・ホールディングス) (54) ‘06.6 pp.39-50
「貯蓄」は「投資」へ流れるか(特集)
- ペイオフ全面解禁で個人向け国債,株式投信へ資金シフト―利回り指向強める個人マネー(熊野英生)
アメリカにみる個人資産形成の経路とインフラ構築―富裕層の運用から一般個人の老後設計へ(沼田優子)
ビギナーが参入し始めた証券投資―本命は団塊シニアの「貯蓄」(小林晋也) - 金融財政事情 (2642) ‘05.4.4 pp.12-26
本格化する富裕層取引戦略(特集)
- 顧客セグメントと戦略を鮮明にするメガバンク―資産管理・運用の包括的コンサルティングを競う(島田裕之)
団塊世代の退職と相続で新富裕層の台頭へ―戸惑う「突然の金持ち」をどうとらえるか(宮本弘之[等])
キャッシュリッチ層にオープン型のコンサルティング―資産管理プラス資産運用機能でシナジー効果(田中嘉一[談]) - 金融財政事情 (2661) ‘05.8.29 pp.18-30
メイン化戦略本番(特集)
- 資産運用ビジネスの囲い込み戦略―個人戦略における成功のカギ(辻井隆司)
富裕層市場の特徴―100万ドル以上の金融資産家(横山淳彦)
銀行の個人マス層への戦略―ICカードによるリレーションシップ強化(佐藤哲士、松村芳道)
地域金融機関のメイン化対策―長期的なファン作りが課題(編集部) - 金融ジャーナル (579) ‘05.8 pp.75-91
欧州の大衆富裕層向け新プライベート・バンキング
- 林宏美 資本市場クォータリー 4(3) ‘01.2 pp.105-113
C.少子化のビジネスへの影響
「鉄道会社」評価の新視点―少子高齢化でマーケティング思考が必要に
- 奥定恭弘 レーティング情報 3(10) ‘00.10 pp.16-24
学習塾業界―少子化でついに再編が始まった(M&Aでみる日本の産業新地図30)
- 小佐野匠 マール (147) ‘07.1 pp.52-55
少子高齢化への挑戦―株式の活用で富の創造を
- 大場昭義 証券アナリストジャーナル 38(1) ‘00.1 pp.6-16
野球や不動産を悩ます少子高齢化問題もゴルフや投資信託にはフォローの風
- 松尾健治 投資信託事情 48(12) ‘05.12 pp.15-17
鉄道―人口減少時代を迎えJRの重点投資の影響拡大,自己資本毀損は格付け低下に直結
- 奥定恭弘 レーティング情報 (60) ‘03.11 pp.27-35
グローバル化する富の競争―人口減少で変革を迫られる資産運用業界
- 竹崎竜二 ファンドマネジメント (49) ‘06.12 pp.4-13
D.高齢化社会と金融・産業
「鉄道会社」評価の新視点―少子高齢化でマーケティング思考が必要に
- 奥定恭弘 レーティング情報 3(10) ‘00.10 pp.16-24
高齢化の進展と個人金融資産の変化―アセットマネジメントの対応(川北英隆、櫨浩一)
- 証券アナリストジャーナル 42(1) 04.1 pp.50-62
高齢化社会の到来により需要膨らむサービス産業
- 北見雅昭 大和投資資料 (779) ‘00.5 pp.26-48
大再編促す高齢化とM&A―背景にある流通業界の構造変化(朝永久見雄)
- エコノミスト (3810) ‘06.2.21 pp.34-35
少子高齢化時代に対応した相続税制度のあり方
- 中村実 知的資産創造 11(11) ‘03.11 pp.4-29
人口減少経済と金融立国のかたち―市場の資源配分機能で「国の力」を維持(特集・人口問題と国のかたち)
- 玉木伸介 金融財政事情 (2636) ‘05.2.21 pp.25-29
中期経済予測2005-2010―人口減少で変化する日本経済と個人金融資産
- 西澤隆 月刊資本市場 (235) ‘05.3 pp.24-51
少子高齢化への挑戦―株式の活用で富の創造を
- 大場昭義 証券アナリストジャーナル 38(1) ‘00.1 pp.6-16
年金・投資教育と年金個人情報通知(特集)
- 学校教育における年金教育(都村敦子)
年金に関する情報提供についての社会保険庁の取り組み(中野寛)
中小企業に対する年金・投資教育(菊地敏義、落義門)
生涯学習と結び付く年金学習推進のための具体的提案(桐木逸朗)
金融広報中央委員会の活動と高齢化社会(増永嶺、塩津豊)
公的年金の給付と負担に関する通知の効果と課題(臼杵政治[等])
諸外国における年金加入者に対する年金見込み額等の通知例(年金総合研究センター) - 年金と経済 25(1) ‘06.4 pp.4-57
シンガポールの年金制度と高齢化社会への対応
- 石川礼忠、Khoo,Lisa ファンドマネジメント (43) ‘05.6 pp.68-71
野球や不動産を悩ます少子高齢化問題もゴルフや投資信託にはフォローの風
- 松尾健治 投資信託事情 48(12) ‘05.12 pp.15-17
少子高齢化時代に対応した相続税制度のあり方
- 中村実 知的資産創造 11(11) ‘03.11 pp.4-29
E.団塊世代と資産運用
金融危機の時代における高齢者資産選択(特集・団塊の世代と年金)
- 松浦克己 年金と経済 24(1) ‘05.4 pp.31-36
団塊世代の退職と金融サービス
- 井上智紀 信用組合 53(7) ‘06.7 pp.27-32
団塊世代のリスク性資産保有の決定要因は「富裕度」と「情報感度」―「団塊世代の消費と貯蓄」アンケート結果から
- 青木美香 金融財政事情 (2675) ‘05.12.12 pp.33-37
「団塊の世代」が、金融を変える―団塊世代の退職と日本経済・個人金融資産構造
- 住田友男 ファンドマネジメント (42) ‘05.3 pp.16-27
「団塊の世代」退職が個人金融資産構成を変える?
- 柏崎重人 金融財政事情 (2620) ‘04.10.11 pp.30-35
「貯蓄」は「投資」へ流れるか(特集)
- ペイオフ全面解禁で個人向け国債,株式投信へ資金シフト―利回り指向強める個人マネー(熊野英生)
アメリカにみる個人資産形成の経路とインフラ構築―富裕層の運用から一般個人の老後設計へ(沼田優子)
ビギナーが参入し始めた証券投資―本命は団塊シニアの「貯蓄」(小林晋也) - 金融財政事情 (2642) ‘05.4.4 pp.12-26
本格化する富裕層取引戦略(特集)
- 顧客セグメントと戦略を鮮明にするメガバンク―資産管理・運用の包括的コンサルティングを競う(島田裕之)
団塊世代の退職と相続で新富裕層の台頭へ―戸惑う「突然の金持ち」をどうとらえるか(宮本弘之[等])
キャッシュリッチ層にオープン型のコンサルティング―資産管理プラス資産運用機能でシナジー効果(田中嘉一[談]) - 金融財政事情 (2661) ‘05.8.29pp. pp.18-30
流動性重視から金利重視の「平時モード」に移行する家計の金融行動―金利に対する「感受性」強い団塊世代が先導役に(特集・ゼロ金利解除後の営業最前線)
- 青木美香 金融財政事情 (2714) ‘06.10.9 pp.23-27
投信と投資顧問の空白を埋めるラップ口座(SMA),団塊退職もフォローの風となり日本では米国以上に拡大余地がありそうだ
- 松尾健治 投資信託事情 48(11) ‘05.11 pp.8-10
始まったばかりの団塊世代の退職の影響
- 菊地正俊、永吉勇人 日本株投資戦略 ‘07.2.19 pp.1-30
三井トラスト・ホールディングス―団塊の「長い老後」に商機あり
- 石川潤 日経ビジネス (1297) ‘05.6.27 pp.66-68
すそ野広がるプライベートエクイティ―大型年金軸に浸透へ,団塊後にらみ長期分散投資
- 年金情報 (394) ‘05.9.19 pp.2-6
団塊の世代と年金―米国の事例から(特集・団塊の世代と年金)
- 浦田春河 年金と経済 24(1) ‘05.4 pp.41-46
預金者の国から株主の国へ―団塊の世代の大量定年で日本が変わる
- Nakamoto,Michiyo 日経ビジネス (1376) ‘07.1.29 pp.162-164