スチュワードシップ・コード
特別展示図書(Web版)[スチュワードシップ・コード]
平成26年6月24日、政府は、新しい成長戦略(「日本再興戦略」改訂2014)を決定しました。この中の第1章「日本の『稼ぐ力』を取り戻す」の第1節「企業が変わる」の項目の1つである「コーポレートガバナンスの強化」に係る事項として、機関投資家の行動指針「スチュワードシップ・コード」の普及推進が盛り込まれました。
英語でスチュワードとは、古くは英王室の資産管理者のことを意味していましたが、今日では、他人の大きな財産を管理するために雇われた者の意味で用いられています。英国では、2010年に、財務報告評議会(Financial Reporting Council)によって「英国スチュワードシップ・コード」が制定されました。このコードは、直前に起こった世界的な金融危機・経済危機を深刻化させたのは、投資先企業の経営監視などコーポレート・ガバナンス(企業統治)への取り組みが不十分であったためとの反省に立ち、企業のリスクを低減し適正化するために投資家の役割に期待するような内容の規範になっています。
わが国でも、平成25年8月以降、金融庁の「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」において議論が重ねられ、平成26年2月には、「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫〜投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために〜が策定・公表されました(http://www.fsa.go.jp/news/25/singi/20140227-2.html)。
そこで、当特別展示図書(Web版)では、証券図書館のデータベースの「蔵書検索」および「証券関係論文・記事検索」より、「スチュワードシップ・コード」関連の書籍(2点)および記事・論文(31件)を抽出して、別添のとおり、一覧リストを作成しました。
1.関連書籍
請求記号 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 発行年 |
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Fh1-MT | 責任ある投資 | 水口 剛 | 岩波書店 | 2013 |
Hb2-KK | 日本再興のためのコーポレートガバナンス改革 | 唐津 恵一[編] | 商事法務 | 2014 |
2.関連論文・記事
論文名 | 誌名 | ||
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著者名 | 巻号 | 発行 | 掲載頁 |
日本版スチュワードシップ・コードがもたらす投資家行動の変化(特集) | 企業会計 | ||
日本版スチュワードシップ・コードの背景とその内容,今後の課題(上田亮子) 国内機関投資家の見方(大場昭義、徳田展子) 企業サイドの対応—JXホールディングスの場合(川田順一) 日本版コードの視点で振り返るこれまでのスチュワードシップ活動(小口俊朗) 日本版コード成功の条件(大崎貞和) |
66(8) | ‘14.8 | 18-52 |
日本版スチュワードシップ・コードの検討—機関投資家の役割についてのアンビヴァレントな見方 | 月刊監査役 | ||
田中亘 | (629) | ‘14.7.25 | 66-75 |
日本版スチュワードシップ・コード—「第3の矢」の中核,対話で企業に成長と自覚を(岐路に立つ日本の責任投資5) | ファンド情報 | ||
三井住友信託銀行 | (176) | ‘14.7.14 | 25-28 |
合理的な説得で機関投資家の信頼を獲得する—日本版スチュワードシップ・コードの影響と対応策 | 経理情報 | ||
遠藤元一 | (1385) | ‘14.7.10 | 46-49 |
日本版スチュワードシップ・コードを真に実効的にするために—概説・あるべき姿・展開 | 月刊資本市場 | ||
中神康議、上田亮子 | (347) | ‘14.7 | 24-35 |
日本版スチュワードシップ・コードへの実務対応 | 商事法務 | ||
有吉尚哉 | (2034) | ‘14.6.5 | 18-29 |
機関投資家のスチュワードシップ責任—企業との建設的関係 | 信金中金月報 | ||
首藤惠 | 13(7) | ‘14.6 | 2-3 |
日本版スチュワードシップ・コード(教えて,先生!17) | 経営財務 | ||
(3164) | ‘14.5.26 | 20-23 | |
英国におけるスチュワードシップ・コードの動向 | 生命保険経営 | ||
平野由香 | 82(3) | ‘14.5 | 42-67 |
「責任ある機関投資家の諸原則」≪日本版スチュワードシップ・コード≫の概要 | 信託 | ||
笠原基和、染川貴志 | (258) | ‘14.5 | 25-40 |
企業と投資家の建設的な対話を通じて株式価値の向上を—日本版スチュワードシップ・コードを契機に社会的な注目度も高まる | 金融財政事情 | ||
古市健 | (3070) | ‘14.4.28 | 74-77 |
「責任ある機関投資家の諸原則」〈日本版スチュワードシップ・コード〉について—投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために | T&Amaster | ||
笠原基和、染川貴志 | (543) | ‘14.4.21 | 15-21 |
日本経済の活性化に向けたコーポレートガバナンス—コーポレートガバナンス向上に向けた内外の動向;スチュワードシップ・コードを中心として(東京大学比較法政シンポジウム) | 商事法務 | ||
神作裕之 | (2030) | ‘14.4.15 | 11-24 |
「責任ある機関投資家の諸原則」《日本版スチュワードシップ・コード》の概要 | 商事法務 | ||
笠原基和 | (2029) | ‘14.4.5 | 59-71 |
「責任ある機関投資家の諸原則」〈日本版スチュワードシップ・コード〉—投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために—の概要 | 金融 | ||
笠原基和、染川貴志 | (805) | ‘14.4 | 9-14 |
「責任ある機関投資家」の諸原則(案)《日本版スチュワードシップ・コード》—投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために—の策定について | 会計・監査ジャーナル | ||
油布志行 | 26(4) | ‘14.4 | 51-53 |
日本版スチュワードシップ・コードと今後の課題—英国からの示唆 | 資本市場リサーチ | ||
上田亮子 | (31) | ‘14.4 | 52-73 |
スチュワードシップ・コードが株主総会に与える影響—機関投資家対策 | 資料版商事法務 | ||
上田亮子 | (361) | ‘14.4 | 6-13 |
責任ある機関投資家の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫の策定について | 金融ジャーナル | ||
油布志行 | (691) | ‘14.3 | 36-39 |
「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》—日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会・平成26年2月26日 | 資料版商事法務 | ||
日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会 | (360) | ‘14.3 | 65-71 |
日本版スチュワードシップ・コードについて | 資料版商事法務 | ||
小口俊朗 | (359) | ‘14.2 | 6-15 |
英国スチュワードシップ・コードと最近の動向 | 商事法務 | ||
山﨑明美 | (2018) | ‘13.12.5 | 31-41 |
英国スチュワードシップ・コードが示す論点 | 月刊監査役 | ||
関孝哉 | (619) | ‘13.11 | 10-16 |
検討進む日本版スチュワードシップコード—機関投資家に何を期待するか? | 大和総研調査季報 | ||
鈴木裕 | (12) | ‘13.10 | 74-89 |
アベノミクスによる企業ガバナンス改革—日本版スチュワードシップコードと長期的投資推奨がもたらすもの | 大和総研調査季報 | ||
鈴木裕 | (11) | ‘13.7 | 42-55 |
英国におけるスチュワードシップ・コード改正と機関投資家の対応 | 資本市場リサーチ | ||
上田亮子 | (27) | ‘13.4 | 60-93 |
集団投資スキーム会計の国際比較 | 産業経営プロジェクト報告書 | ||
第1章 集団投資スキーム会計の国際比較—定義・観点・方法・会計規制をめぐって(今福愛志) 第2章 投資企業の定義と会計問題—IFRS公開草案にみるCISの新たな定義の可能性と連結免除(今福愛志) 第3章 年金制度への集団投資スキーム会計からの接近—国際的動向の検討(今福愛志) 第3章 —その1— 企業年金をめぐるバイアウト問題—金融危機後の企業年金制度の国際的動向(今福愛志) 第3章 —その2— 年金制度とスチュワードシップ規範制定の意味—英国における年金制度をめぐる連係システムの構築(今福愛志) 第4章 特別目的事業体(SPE)の連結をめぐるMD&A開示問題(古庄修) 第5章 集団投資スキームと日本版ESOP会計—金融商品取引法の開示規制と信託の子会社問題を中心に(山崎雅教) |
(35-1) | ‘12.3 | 1-80 |
会計利益数値のスチュワードシップ価値とその価値関連性 | 会計 | ||
岡部孝好 | 180(5) | ‘11.11 | 131-143 |
年金制度とスチュワードシップ規範制定の意味—英国における年金制度をめぐる連係システムの構築 | 産業経営研究 | ||
今福愛志 | (33) | ‘11.3 | 1-9 |
グローバル規制のジレンマ | 資本市場リサーチ | ||
巻頭言 グローバル規制のジレンマ(矢野晴巳) Ⅰ.グローバル規制のジレンマ 1.オバマ米大統領による新金融規制案について—「ボルカー・ルール」の概要と評価(漆畑春彦、川本隆雄) 2.グローバル会計基準設定を巡る相克—IASBとSECの苦悩・高まる日本の戦略的重要性(熊谷五郎、青木麻由子) 3.金融機関の流動性規制を巡る主要国の議論(漆畑春彦) Ⅱ.我が国の金融・資本市場を巡るトピックス 1.近時の東証のコーポレート・ガバナンス改革—独立役員確保の義務化とコーポレート・ガバナンス報告書の記載事項の追加(豊田和美) 2.金融危機後のグローバル投資家の視点—京都大学経営管理大学院・みずほ証券寄附講座からの報告(杉浦秀徳) 3.証券決済制度を巡る最近の動向について(金澤光俊) Ⅲ.海外市場を巡るトピックス 1.英国のスチュワードシップ・コードと機関投資家の責任(上田亮子) 2.米クラフト・フーズによる英キャドバリー買収合意について—英・米における敵対的TOB手続きの考察 3.米国のブローカー・ディーラーに対する規制強化—「アンフィルタード」もしくは「ネイキッド」アクセスの禁止(川本隆雄) 4.米国のMMF運用規制見直しについて—米投資会社法「規則2a-7」の改正(安田善文) 5.ブラジル金融・資本市場の構造—歴史的経緯をふまえて(江崎和子) |
(15) | ‘10.4 | 1-186 |
積極的な株主スチュワードシップ:資本主義の新しいパラダイム | NRI国際年金研究シリーズ | ||
デイビス,スティーブン[等] | (3) | ‘10.3 | 14-24 |