テーマ別研究会
テクノロジーと金融革新に関する研究会(座長 藤井眞理子 東京大学名誉教授)
新たなテクノロジーの進展によってもたらされる金融サービスの革新、特にAIやビックデータの利用拡大は、新しいビジネスや商品、取引の展開を促している。新たな金融サービスの便益を実現し、リスクを理解して対処していくためには、そうした革新的な金融が経済効率や厚生の観点からどのように評価されるべきか、また金融システムの安定やインテグリティの観点からどのような課題をもたらすものであるかなどを的確に理解する必要がある。
本研究会では、テクノロジーがもたらす金融革新における新たな法的課題や経済効率・厚生からの評価、そしてこれまでの金融市場や取引形態との関係で留意すべき点があるのかどうかなどについて研究を進め、テクノロジーと金融革新が金融の新たな発展に資するための条件等について分析を行う。
メンバー
(令和6年4月1日現在)
座 長 | 藤 井 眞理子 | 東京大学名誉教授 |
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委 員 | 有 吉 尚 哉 | 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士 |
祝 迫 得 夫 | 一橋大学経済研究所教授 | |
大 崎 貞 和 | 野村総合研究所未来創発センター主席研究員 東京大学客員教授 |
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加 藤 貴 仁 | 東京大学大学院法学政治学研究科教授 | |
佐 藤 祐 己 | 慶応義塾大学経済学部教授 | |
鈴 木 健 嗣 | 学習院大学経済学部教授 * | |
田 中 亘 | 東京大学社会科学研究所教授 | |
戸 村 肇 | 早稲田大学政治経済学術院教授 | |
三 井 秀 範 | 預金保険機構理事長 | |
村 瀬 智 之 | 大和証券グループ本社執行役副社長 情報技術担当(CIO)兼データ管理担当(CDO) |
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山 本 忠 司 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ執行役常務 デジタルサービス事業本部長兼グループCDTO |
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オブザーバー | 高 岡 慎 | 琉球大学国際地域創造学部准教授 |
松 尾 元 信 | 日本証券業協会専務理事 | |
研究所 | 森 本 学 | 日本証券経済研究所理事長 |
髙 木 隆 | 日本証券経済研究所常務理事 |
(注) *印は当研究所の客員研究員を兼務
[敬称略]
最近の活動状況
令和4年9月にこれまでの研究成果をとりまとめ、『証券経済研究』第119号に発表した。
令和6年度における研究会の開催状況は次のとおりである。
① 「AIに関する法規制:準備的考察」
② 「暗号資産交換業規制の将来展望」(10月28日)
①東京大学社会科学研究所教授 田中 亘氏
②東京大学大学院教授 加藤 貴仁氏
① 「顧客のリテラシーに応じた証券取引規制の現状とあり方
-テクノロジーの進展による個人投資家による証券取引の拡張を踏まえて-」
② 「SNSが個⼈投資家の投資⾏動・資産保有⾏動に与える影響について」(10月21日)
①西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー弁護士 有吉 尚哉氏
②一橋大学経済研究所教授 祝迫 得夫氏
① 「米国SECの「エンフォースメントによる」暗号資産規制」
② 「取引所外取引の経済理論」(7月23日)
①野村総合研究所未来創発センター主席研究員、東京大学客員教授 大崎 貞和氏
②慶応義塾大学教授 佐藤 祐己氏
① 「個人向けフィンテック利用の決定要因について-家計簿アプリ、ロボアドバイザーの検証-」
② 「通貨と保険の性格を併せ持つ分散型証券の理論的可能性」(6月24日)
①学習院大学教授 鈴木 健嗣氏
②早稲田大学政治経済学術院教授 戸村 肇氏
令和5年度における研究会の開催状況は次のとおりである。
① 「「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」―個票データ分析による選好の違いとリスク資産の保有」
② 「取引所外取引について」(3月14日)
①東京大学名誉教授 藤井 眞理子氏
①琉球大学准教授 高岡 慎氏
②野村総合研究所未来創発センター主席研究員・東京大学客員教授 大崎 貞和氏
① 「生成AIの法律」
② 「金融機関における大規模言語モデル(LLM)の活用検討状況と課題」(9月29日)
①西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー弁護士 福岡 真之介氏
②株式会社野村総合研究所金融ITイノベーション事業本部
金融デジタルビジネスリサーチ部 シニアリサーチャー 金子 洋平氏
① 「証券市場とDX」
② 「不動産クラウドファンディングの動向と課題」(6月2日)
①株式会社JPX総研フロンティア戦略部部長 山藤 敦史氏
②株式会社野村総合研究所デジタルアセット研究室長 谷山 智彦氏
① 「個人顧客の資産運用の活性化を目的としたMoney Canvasについて」
② 「貸付型クラウドファンディング事業のこれまでの軌跡および事業成長に向けた課題について」
③ 「ロボアドバイザービジネスの現況と大和証券の取り組み」(4月5日)
①株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ常務執行役員 グループDeputy COO-I兼
グローバルコマーシャルバンキング事業本部副本部長兼グローバルCIB事業担当兼アジア担当 大澤 正和氏
②ファンズ株式会社CEO 藤田 雄一郎氏
③株式会社大和証券グループ本社執行役副社長 情報技術担当(CIO)兼データ管理担当(CDO) 村瀬 智之氏
③大和証券株式会社ゴールベース・プランニング部副部長 吉野 哲史氏
令和4年度における研究会の開催状況は次のとおりである。
① 「暗号資産・トークン・デジタルマネー」
② 「国民の資産形成と資本市場の機能発揮〜税制と金融リテラシーを中心に〜」
③ 「今後の予定等」(2月1日)
①当研究所エグゼクティブ・フェロー 松尾 元信氏
②日本証券業協会副会長・専務理事 岳野 万里夫氏
○ 「研究会(第Ⅱ期)の運営について意見交換」(12月27日)
① 「ICOの残照—「投資に関する規制」と「決済に関する規制」の境界線の再定位—」
② 「技術の進展と金融取引—効率性と競争の視点からの評価—」(6月30日)
①東京大学大学院教授 加藤 貴仁氏
②東京大学名誉教授、当研究所エグゼクティブ・アドバイザー 藤井 眞理子氏
① 「人工知能に関する技術革新と資産運用業:両者の関係の歴史的概略と経済学的考察」
② 「フィンテックが企業の資金調達へ及ぼす影響」(5月23日)
①一橋大学経済研究所教授 祝迫 得夫氏
②一橋大学大学院教授・当研究所客員研究員 鈴木 健嗣氏
① 「金融商品取引法上の有価証券の類型と規制の適用関係—トークン化有価証券に対する規制の立法論的考察—」
② 「「見切り発車投資」の経済理論」(4月18日)
①西村あさひ法律事務所パートナー弁護士 有吉 尚哉氏
②慶応義塾大学経済学部教授 佐藤 祐己氏
令和3年度における研究会の開催状況は次のとおりである。
① 「情報通信技術(ICT)の革新と証券取引規制」
② 「リテール分野における技術革新の社会的意義および規制のあり方—インターネット取引とロボアドバイザーを中心に—」
③ 「フィンテックの資金決済システムへの影響と金融規制への含意」(3月23日)
①野村総合研究所未来創発センターフェロー・当研究所理事 大崎 貞和氏
②東京大学社会科学研究所教授 田中 亘氏
③早稲田大学政治経済学術院教授 戸村 肇氏
① 「ICOの残照—『投資に関する金融規制』と『決済に関する規制』の境界線の再定位」
② 「フィンテックの経済評価—効率性と競争の視点から—」(11月10日)
①東京大学大学院教授 加藤 貴仁氏
②東京大学名誉教授、当研究所エグゼクティブ・アドバイザー 藤井眞理子氏
○ 「フィンテックが企業の資金調達に及ぼす影響」(9月29日)
一橋大学大学院教授・当研究所客員研究員 鈴木 健嗣氏
① 「金融商品取引法上の有価証券の類型と規制の適用関係」
② 「テクノロジーの発展と金融規制の将来〜リテール証券取引の分野を中心に〜」(7月28日)
①西村あさひ法律事務所パートナー弁護士 有吉 尚哉氏
②東京大学社会科学研究所教授 田中 亘氏
① 「AIや機械学習が金融取引に与える影響に関する近年の学術研究」
② 「技術革新とBoom & Bust(仮)」(6月10日)
①一橋大学経済研究所教授 祝迫 得夫氏
②慶応義塾大学教授 佐藤 祐己氏
① 「リテール顧客向けのネットサービスについて」
② 「フィンテックの銀行業への影響と金融規制への含意」(4月9日)
①大和証券グループ本社常務執行役(CIO) 村瀬 智之氏
②早稲田大学政治経済学術院教授 戸村 肇氏
令和2年度における研究会の開催状況は次のとおりである。
① 「金融×テクノロジーを活用した働く世代向けの資産運用サービス」
② 「今後の研究会の進め方についての意見交換」(2月12日)
①ウェルスナビ代表取締役CEO 柴山 和久氏
○ 「当社の取り組みとデータの活用に向けて」(2月1日)
マネーフォワード取締役執行役員 マネーフォワードFintech研究所長 瀧 俊雄氏
○ 「デジタルプラットフォームを通じた金融商品取引と投資者保護上の課題」(12月14日)
東京大学大学院特任教授 三井 秀範氏
① 「MUFGのDX戦略」
② 「ICTの革新と証券市場」(11月4日)
①三菱UFJ銀行取締役常務執行役員CDTO兼デジタル企画部長 大澤 正和氏
①三菱UFJ信託銀行経営企画部FinTech推進室調査役 齊藤 達哉氏
②株式会社野村総合研究所未来創発センターフェロー 大崎 貞和氏
○ 「FinTech・DeFiにおける最近の話題と今後の論点」(10月26日)
Japan Digital Design CTO, 内閣官房 政府CIO補佐官 楠 正憲氏
○ 「今後の進め方について意見交換」(10月9日)
東京大学名誉教授・当研究所エグゼクティブ・アドバイザー 藤井眞理子氏