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第129号(2025年3月) テクノロジーと金融革新に関する研究会特集号

個人向けフィンテック利用の決定要因について
—家計簿アプリ,ロボアドバイザーの検証—

金子眞奈(学習院大学大学院経営学研究科・博士後期課程)
鈴木健嗣(学習院大学経済学部教授・当研究所客員研究員)

〔要 旨〕

 本稿の目的は,普及過程にある個人向けフィンテックサービス(家計簿アプリ,ロボアドバイザー)の経済的な効果について先行研究をまとめ,日本におけるそれらサービスの利用者の特徴について実証的に分析することにある。先行研究から,家計簿アプリ及びロボアドバイザーは情報コストを低下させ,利用者の行動バイアスや偏った信念を修正していることが分かった。利用者の決定要因の検証においては,日本証券業協会が実施した2017年から2023年までの『個人投資家の証券投資に関する意識調査』のアンケート調査を用いた。実証分析の結果,家計簿アプリ,ロボアドバイザーのいずれも金融リテラシーが高く,年齢が若く,収入が多く,せっかちな人ほど利用する可能性が高いことが分かった。さらに,ロボアドバイザーについては,男性ほど利用しやすく,人間のアドバイザーの必要性を感じている人ほど利用する可能性が高いことが判明した。一方で,リスク回避度はいずれの個人向けフィンテックにおいても有意な関係を確認することはできなかった。本研究は,普及過程の利用者の特徴を明らかにすることで,金融イノベーションが普及するメカニズムの解明に示唆を与えている。

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