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第28号(2000年11月) 金融業の融合と金融サービス市場法

年金税制と金融機関の年金運用
―日英比較を中心として―

代田純(立命館大学教授)

〔要 旨〕

 日本における企業年金である厚生年金基金は税制面で優遇されると同時に,代行制度とリンクしている。ここでは税制優遇というメリットが認められている半面 ,給付水準を厚生年金に比べて3割上乗せするという「コスト」も必要となっている。また日本の年金運用の利回りはイギリスと比較しても,相対的には低く,当該企業の「利差損」負担を生むこととなっている。
 一方、イギリスでも年金基金には税制優遇がはかられているが,適用除外制度との関連性はない。また給付水準は公的年金と同水準であれば良い。さらにイギリスの年金運用利回りは日本に比べて高い。
 日本における年金税制は,年金改革の総合的観点を踏まえて,見直すべき時期に来ている。

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