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第46号(2004年6月) 金融ビッグバン後の投資信託の現状と課題

地方銀行の投資信託窓販と資産管理サービス業務の展開

松澤孝紀(武蔵大学大学院博士後期課程)
松本勇樹(武蔵大学大学院博士後期課程)
丸淳子(武蔵大学教授)

〔要 旨〕

 金融ビッグバンでの投資信託改革の一つである銀行等金融機関の投資信託窓販(以下,投信窓販)解禁後,銀行経由の投信窓販は絶対量でも比率でも拡大している。さらに,銀行の内訳をみると,大手銀行のシェアが低下してきているのに対して,第二地銀を含む全地銀のシェアは20%から30%になっている。本稿では,販売窓口として証券会社の本支店との重複が少ない地銀に焦点をあて,銀行の資産管理サービス業務の展開を考察する。
 銀行の貸出以外の収入である役務取引収益の対経常利益は地銀ではおおむね10%を超えているが,第二地銀では半数以上が10%以下である。さらに,投信販売手数料や信託報酬などのその他役務取引収益は総役務取引収益の半分前後であり,銀行の経常利益からみればかなり小さい存在であるが,急速に拡大していることも事実である。地銀による投信窓販は単なる窓口販売ではなく,預金者の資産管理に対する総合サービスの提供による高い付加価値からの手数料の確保は今後の地銀経営モデルの一つである。
 現段階では,地銀の投信窓販への取り組み方にはかなり温度差があるし,付加価値の高い資産管理業務への移行には時間がかかりそうである。投信販売量と投信関連手数料を軸に,地銀の投信販売状況を個別銀行ベースで分析して展望と課題を考える。

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