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第46号(2004年6月) 金融ビッグバン後の投資信託の現状と課題

オルタナティブ投資の概要:ヘッジファンドとプライベートエクィティ

今井貴志(メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ運用部ディレクター)

〔要 旨〕

 国内外で買い建てのみで行う所謂伝統的運用によるパフォーマンスが長期にわたり低迷する一方で,投資対象となるヘッジファンドやプライベートエクイティファンドが拡大してきたこと等を受け,様々な投資家の間でオルタナティブ運用の採用が拡大している。ヘッジファンド調査会社によると,2003年のヘッジファンドへの新規資金流入は,同年の好パフォーマンスもあり過去最高であった。特にヘッジファンドでは,ともすると悪いイメージが先行してきた傾向があるが,実際にはオルタナティブ投資は,投資家に対してポートフォリオの分散効果等のメリットを提供し得ることや市場に対して流動性を提供する等様々なプラスの面も期待される。一方,こうしたオルタナティブ投資のほとんどが日本で言うところの私募形式で提供されていることもあり,また運用スタイルが多岐に亘っていることもあり,様々な点でまだまだ判り難い点も多い。本稿では,ヘッジファンドとプライベートエクイティに焦点を絞り,その主要な投資スタイルと収益源・リスク要因,投資に際しての留意点,内外投資家の取り組み動向等について概説することで,読者のオルタナティブ投資に対する理解を深めるきっかけを提供したい。

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