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第52号(2005年12月)

プロ・アマ投資者の区分

青木浩子(千葉大学教授)

〔要 旨〕

 本稿では,証券会社顧客を保護の必要性に応じて区分する法制のあり方を考察する。
 第一部では,現行規制における顧客区分の例を見る。私募証券に対する開示規制免除の局面で用いられる「適格機関投資家」は,証取法上の保護を要しない投資家の定義例として最も重要なものであり,これが他所でどのように用いられているかを調べた。行為規制に関する日証協規則で「適格機関投資家」ないし類似の概念が多用されていることからも,一般顧客と異なる顧客層の定義の必要性自体に疑いはないと思われる。ただ,「適格機関投資家」を本来の目的と異なる局面で用いることには問題が多い。
 第二部では,投資サービス法を念頭に置いて,プロアマ区分に関する立法論を検討する。既に1999年の時点で制度の大枠が構想されており,2004年末に審議会資料として紹介されている。この資料の内容を,現行の英国および欧州の法制と比較し,問題点を指摘した。また,2005年夏の中間整理およびコメントにプロアマ区分の立法方針に関わるものがあるので,それを[補足]として整理・検討した。

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