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証券経済研究 第100号(2017年12月)

投資型クラウドファンディングとベンチャー育成

松尾順介(桃山学院大学経営学部教授・当研究所客員研究員)

〔要 旨〕
 クラウドファンディングについては,寄付型や購入(成果還元)型に関心が集まり,ふるさと納税と類似のものと解される場合も少なくなかった。しかし,最近,投資型クラウドファンディングの領域で,注目される動きが見られるようになっている。
 特に注目されるのは,投資型クラウドファンディングのプラットフォーム運営会社の新規参入が相次いだことである。従来,投資型クラウドファンディングについては,2001年11月設立(創業2000年12月)のミュージックセキュリティーズが著名であり,同社はファンド型クラウドファンディングのプラットフォームとして,「セキュリテ」を運営し,この分野のパイオニアであるとともに,投資型クラウドファンディングを代表する存在である。この分野にソニー銀行,日本クラウドキャピタルおよびDANベンチャーキャピタルが相次いで新規参入した。
 さらに,これらの投資型クラウドファンディングのプラットフォームにおいて,相次いでベンチャー企業が資金調達を行っている。
 ここで,注目されるのは,これらのプラットフォームの開設から,まだ日が浅いにもかかわらず,すでに相次いで資金調達の事例が現れていることである。このような事態は,ベンチャー育成におけるクラウドファンディングの可能性を示唆するものと考えられる。
 本稿では,インタビュー調査に基づき,投資型クラウドファンディングに新規参入した3社の取組を紹介するとともに,株式投資型クラウドファンディングによって,資金調達を行った3社について紹介する。その上で,ベンチャー育成における投資型クラウドファンディングの課題について,①将来の企業成長を判断する識別能力,②流動性提供,③プラットフォームの役割という3つの観点から検討する。

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