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出版物・研究成果等

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証券経済研究 第102号(2018年6月)

ヨーロッパにおけるダーク・プール取引量規制の影響—CBOE データに基づく分析—

吉川真裕(当研究所客員研究員)

〔要 旨〕
 欧州連合(EU)の証券市場監督機関である欧州証券市場監督機構(ESMA)は年初から施行されているMiFID Ⅱにしたがって,ヨーロッパでは大口取引を除いてダーク・プールでの取引が700銘柄を上回る上場商品を対象として2018年3月12日から6カ月間停止されることになった。3月12日以降にヨーロッパ全体ではダーク・プールでの取引金額が減少したことは明らかであったが,取引対象の上場国別や取引市場ごとに,その影響はさまざまであった。
 取引対象の上場国別の取引比率の変化ではデンマーク(-7.57%ポイント),イギリス(-6.59%ポイント),フィンランド(-5.57%ポイント),スウェーデン(-5.27%ポイント),ノルウェー(-4.74%ポイント),ポルトガル(-4.17%ポイント),オーストリア(-3.37%ポイント)で大きく低下していたのに対して,スペインでは0.18%ポイント上昇していた。
 ダーク・プール別の取引比率の変化ではCXE Book(-0.88%ポイント),Turquoise Plato Continuous(-0.69%ポイント),UBS MTF(-0.52%ポイント),BXE Book(-0.45%ポイント)で大きく低下しており,この4市場で全15市場の低下2.94%ポイントの86%をもたらしていた。他方,CBOE LISは0.03%ポイント,SwissAtMidは0.02%ポイント,SLSも0.02%ポイント取引比率を上昇させており,大口取引が多いと言われるLiquidnet(-0.01%ポイント),Instinet Blockmatch(-0.08%ポイント),Turquoise Plato Uncrossing(-0.15%ポイント),ITG Posit(-0.19%ポイント)も取引比率の低下はそれほど大きくはなかった。

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