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出版物・研究成果等

証券経済研究 第39号(2002年9月)

韓国のKOSDAQ市場

金珍奎(大分大学専任講師)

〔要 旨〕
 韓国のKOSDAQ市場は,近年急成長している。KOSDAQ市場の登録企業数は,1996年末の331社から,2001年末には721社に急増した。また,年間売買高も1996年3,500万株から,2001年には721億株にのぼった。
 本稿では,このような現状に注目し,KOSDAQ市場の拡大背景,そして拡大過程における問題点を明らかにした。
 まず,KOSDAQ市場の拡大背景としては,韓国独特ともいえるベンチャー企業指定制度,緩やかな登録基準と登録企業支援制度,そして低金利下のITブームを指摘した。
 また,KOSDAQ市場の問題点としては,制度上の問題に加え,相次ぐ不祥事,そしてKOSDAQ市場がきわめて投機的市場であることを指摘した。
 これらの検討から,KOSDAQ市場は量的成長には成功したものの,質的には未熟な市場であることが明らかになった。したがって,KOSDAQ市場が今後投資家に魅力ある市場として成長しつづけるためには,優良企業の登録促進,登録企業の管理強化,外国人投資家や機関投資家の参加を促す環境づくりが急がれる。

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