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証券経済研究 第55号(2006年9月)
米国証券リテール規制の金融商品取引法への示唆(上)
青木浩子(千葉大学大学院教授)
〔要 旨〕
金融商品取引法(金商法)の行為規制については立法上の詰めを欠いたまま,政令・内閣府令に委ねた部分が多い(「はじめに」を参照。適合性原則関連規制の紹介と検討を行った結果,一回分の長さとなったことをお詫びしたい)。説明義務・適合性原則を始めとして,今後の補充や見直しの必要性が予想される。そこで,適合性原則に関する米国証券自主規制機関の規則・会員通知・処分例と,受託者責任に基づく説明義務違反に関するこれも米国の裁判例とを参考として紹介したい(次回)。前者は主にわが国自主規制機関の活動および業者社内基準の,後者は販売勧誘・資産運用助言・資産管理の各業務にわたって金商法が導入した受託者責任およびそれに基づく一般的義務の解釈の参考となろう。
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