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出版物・研究成果等

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証券経済研究 第59号(2007年9月)

証券取引所の統合再編問題

鈴木芳徳(神奈川大学名誉教授)

〔要 旨〕
 証券取引所の再編統合の流れは,止まるところを知らず,世界的規模のものとなりつつある。しかも商品先物取引所との統合に踏み込みつつある。
 こうした一連の統合再編の流れをつき動かしつつある動因は何か。また,そうした動因を生ぜしめる根底の動きは何か。
 恐らくはヘッジファンドを中心とする資金の流れが,なによりも注目されねばなるまい。それは瞬時にしてその居所を変え,利益を狙う。しかも証券会社のトレーダーを介すことなく取引所に発注できるDMA(ダイレクト・マーケット・アクセス)によることを希望する。アルゴリズム取引はその一種にほかならない。こうした自動執行は,人件費を削減可能にし,しかも大量発注を容易にする。
 かくて,そうした注文を即座に捌きうるシステムが求められることになり,その費用負担は巨額に達する。この経費負担は,取引所の統合再編を促迫する。しかも多くの取引所は,自らの株式を上場しており,従って取引所の株主を意識しつつ運営せざるをえない。このことも統合再編を促しつつある動因となっている。

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