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証券経済研究 第61号(2008年3月)
韓国の「資本市場統合法」とファンド資本主義
ロー・ダニエル((社)東アジア平和投資(韓国)代表)
〔要 旨〕
2007年7月3日,韓国の国会は本会議で「資本市場及び金融投資業に関する法律」を通過させた。合計449条で構成されるこの法律は,1年半の猶予期間を経て2009年2月4日から施行される。「資本市場統合法」(統合法)と通称されるこの法律は,韓国版の金融ビッグバンを齎すと言われる。韓国の統合法は2007年9月末に全面施行された日本の金融商品取引法より法律の精神や仕組みの面でもっと包括的で,なお先に進むものになりうる。イギリスの金融サービス市場法(FSMA)やオーストラリアの金融サービス改革法(FSRA)を主に参考にした統合法が目指す方向は,金融市場の定義と規制の包括主義,機能別規制,業務範囲の拡大,投資者保護の強化という4つに絞られる。韓国の統合法は,金商法時代に入る日本の金融界に対して幾つかの興味深い示唆を持つ。金商法が金融の自由化過程の上でステップの段階であれば,韓国の統合法は完全なジャンプの段階を想定している。この差異は,韓国が1997年のアジア金融危機以降,社会体質の英米化が深化する中で,「ファンド資本主義」の機運が定着したことにあると言える。
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