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証券経済研究 第79号(2012年9月)
中国における債券市場の整備と最近の動き
童適平(明治大学特任教授・当研究所客員研究員)
〔要 旨〕
地方と企業の自主権拡大を特徴とする中国の改革開放政策は財政の不均衡と弱体化を生じさせ,国債の発行が余儀なくされた。改革の構図は明確でない移行経済の下,国債は多種多様の形式を呈した。また,国債の発行がきっかけで,金融債や企業債も登場してきた。
1990年代の激変を経験した債券市場は規範化に収斂しつつある。
債券の発行は次第に公募入札が主流となる。国債に傾きすぎた債券の発行規模も2005年の企業債発行規制の緩和により多少修正された。しかし,国債と政策性金融債と比べ,企業債券の発行規模はまだ非常に小さい。債券の発行は,市場も市場参加者も人為的に分割された状態はまだ続いている。
債券の流通も規模の拡大が見られたが,オープン市場としての証券取引所債券市場は限界的な存在となり,市場の効率性は低下した。銀行間債券市場の参加者拡大と上場商業銀行の証券取引所債券市場への参入開放などの制度的な改善が見られたが,効果が限定的で課題が残っている。
近年になって,海外市場での外債発行は外貨建て外債から元建て外債に変わり,注目されるようになった。
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