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証券経済研究 第84号(2013年12月)
米国における包括的金融規制改革法の全体像
若園智明(当研究所主任研究員)
〔要 旨〕
金融危機の再発防止を主たる目的として,2010年7月21日に成立したドッド・フランク法は,金融関連の米国連邦法としては過去最大のボリュームとなった。ドッド・フランク法は14本の新たな連邦法を含みながら,多数の調査分析と規則(Rule)の策定を連邦諸機関に命じている。
現在,Obama政権下で進められている金融規制改革は,このドッド・フランク法を根拠としている。そのため,現在ならびに将来の米国金融規制体系の理解・予測を行なうためには,ドッド・フランク法の構造を理解することが不可欠となる。これらの金融規制のあり方は,米国のみならず世界的な資本市場ビジネスにも大きな影響を与える。その意味でも,ドッド・フランク法の理解は基盤となろう。
本誌掲載の別稿では,ドッド・フランク法の成立過程について論じた。本稿では,ドッド・フランク法がもたらす新たな規制体系の中から,当該法の中核として ①監督体制の強化(マクロ・プルーデンス政策の導入,消費者・投資家保護の強化),②大きすぎて潰せない(Too Big to Fail)金融会社の問題への対応(新たな整然清算制度),③規制対象の拡大(店頭デリバティブ,ヘッジ・ファンド),④その他(ボルカー・ルール,信用格付会社の監督強化,証券化プロセスの改善)を取り上げ,ドッド・フランク法の関連規定および政策的対応を概観する。
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